コンサルの探し方|マッチングで外部コンサルを業務委託で発注する方法
外部のコンサルを必要なときだけ起用する「コンサルのマッチング」が広がっています。フリーランスコンサルタント(フリーコンサル)を業務委託で発注する経路は、大きく知人・紹介/エージェント経由/ダイレクトプラットフォーム(マッチングサービス)の3つに分かれます。この記事では、外部コンサルを発注したい企業向けに、それぞれの探し方と発注の進め方を解説します。
「外部コンサルを使いたいが、エージェントに頼むべきか、自社で探すべきか」という判断に迷ったとき、この記事が参考になるはずです。フリーランスコンサルタントの基本については「フリーランスコンサルタントとは」で整理しています。
本記事では、フリーランスコンサルタントの調達方式として「エージェント経由」と、人脈に頼らず直接契約を実現する「ダイレクトプラットフォーム」(マッチングサービス)を比較します。なお「直接契約」とは契約形式そのもの、「ダイレクトプラットフォーム」はそれを実現する具体的な調達手段を指します。
エージェント経由の仕組み
エージェント経由は、仲介会社がコンサルタントの発掘・スクリーニング・紹介を行い、クライアントは紹介された候補者の中から選ぶ方式です。契約や請求の管理もエージェントが担うため、クライアント側の手間は少なくなります。
具体的には、エージェントは以下の一連の業務を代行しています。
選定から契約・支払いまでの一連の業務をエージェントに任せられるため、社内にコンサルタント調達の専任担当がいない場合でもスムーズに進められます。
その対価として、クライアントが支払う報酬の20〜40%がマージンとしてエージェントに渡ります。このマージンは新規契約時だけでなく、継続契約にも同率で発生し続けるのが一般的です。
たとえば報酬180万円/月・マージン30%の場合、毎月54万円がエージェントに渡ります。案件が継続してもマージン率は変わらず、同じ金額が毎月発生し続けます。
この条件で1年間継続すると、マージンの累計は648万円になります。案件が長期化するほど、この継続コストの差は大きくなります。
直接契約の仕組み
直接契約は、クライアント企業がコンサルタントと直接交渉・契約する方式です。間にエージェントが入らないため、マージンは発生しません。
知人・紹介経由で個別につながる方法もありますが、候補者が自社の人脈に限られます。この課題を解決するのがダイレクトプラットフォーム(マッチングサービス)です。具体的な流れは以下の通りです。
プラットフォームの料金は発生しますが、その構造はマージン型とは異なります。エージェント経由のマージンは報酬に対する比率(20〜40%)で毎月発生するため、報酬が高いほど、契約期間が長いほど累積額が膨らみます。一方、ダイレクトプラットフォームの料金はサービスにより異なりますが、エージェントのように報酬額×継続期間で膨らむ構造ではないため、高単価・長期の案件ほど、マージン型よりコストを抑えやすい傾向があります。料金の型はダイレクトプラットフォームの料金体系と確認点で整理しています。
比較:エージェント経由 vs ダイレクトプラットフォーム
クライアント企業のジャーニー(探す→選ぶ→対話する→契約・支払い)に沿って比較します。
| エージェント経由 | ダイレクトプラットフォーム | |
|---|---|---|
| 候補者の見え方 | △
|
◎
|
| コミュニケーション | △
|
◎
|
| コスト | △
|
○
|
| 選定の手間 | ◎
|
△
|
| 管理負荷 | ○
|
△
|
どちらを選ぶべきか
どちらが優れているかではなく、自社の状況に合った方法を選ぶことが重要です。
| 優先事項 | 向いている方法 |
|---|---|
| 手間の削減(選定・与信を任せたい) | エージェント経由 |
| コスト(マージンを抑えたい) | ダイレクトプラットフォーム |
| 透明性(候補者を自社の目で選びたい) | ダイレクトプラットフォーム |
| スピード(直接やりとりで早く決めたい) | ダイレクトプラットフォーム |
なお、候補者をどう見極めるかについては以下の記事で解説しています。
関連記事:フリーランスコンサルタントの選び方|失敗しないためのスクリーニングと面談 →
ダイレクトプラットフォームの料金体系と確認点
ダイレクトプラットフォームの料金は、サービスによって月額制と成約時の手数料に大きく分かれます。どちらもエージェント経由のように報酬から毎月マージンが差し引かれることはありませんが、総額が増える条件が異なります。このほか、応募や発注のたびに料金がかかるサービスもあります。
| 料金の型 | 支払うもの | 総額が増える条件 |
|---|---|---|
| 月額制 | 毎月の利用料。成約時の手数料はかからないか、低く設定されている | 利用する月数。成約のない月もかかる |
| 成約時の手数料 | 成約したときに1回の手数料。合意した月単価の一定割合か、定額 | 成約の件数と月単価(チームで参画する場合は人数も) |
どちらが安いかは、年間に起用する人数と月単価で変わります。起用する人数が多いほど月額制が、少ないほど成約時の手数料が有利になりやすくなります。サービスを比べるときは、同じ条件(月単価・稼働率・期間・人数)で総額を出したうえで、次の点を確かめてください。
- 成約時以外にかかる費用:初期費用・月額利用料・応募や発注ごとの料金があるか
- 延長・更新のときの手数料:同じコンサルタントとの契約の延長や別案件の依頼で、手数料が再びかかるか
- 契約の相手方:コンサルタント本人と直接契約するのか、運営会社が契約の間に入るのか(間に入る場合は、契約と請求の相手が運営会社になり、コンサルタント本人に届く金額が見えにくくなります)
- チームで参画する場合の料金:コンサルタントがほかのメンバーとチームを組んで参画するとき、メンバーの分の料金がどう決まるか
エージェント経由を使う場合のチェックポイント
エージェント経由を選ぶ場合でも、以下のポイントを確認しておくとコストや品質のコントロールがしやすくなります。
- 候補者の数と質を確認する:「何名の候補から絞ったのか」「なぜこの候補を推薦したのか」を聞くと、エージェントの選定プロセスが見えます
- コンサルタントへの支払い額を把握する:マージン率は非開示のエージェントが多いですが、コンサルタント本人に届く金額を把握しておくと、報酬水準が適正かどうか判断しやすくなります
- 直接契約への切り替え条件を確認する:一定期間後にコンサルタントと直接契約に移行できるかどうか。これが可能なエージェントと、禁止しているエージェントがあります
エージェント経由から直接契約への移行
すでにエージェント経由でコンサルタントを活用している企業が、直接契約に切り替えるケースも増えています。移行の際に知っておくべき点を整理します。
既存のコンサルタントとの直接契約
エージェント経由で稼働中のコンサルタントと、契約終了後に直接契約を結ぶことは可能です。ただし、多くのエージェントは契約終了後一定期間(1〜2年が一般的)の直接契約を禁止する条項を設けています。契約書を確認してください。
この条項は、エージェント側がマージン収入を継続的に確保するためのものです。クライアントとコンサルタントが直接つながると、エージェントを介さずに契約が継続できるため、マージンが消失します。条項の有無や期間は契約交渉時に確認・調整が可能な場合もあるため、長期での活用を見込む案件では事前に交渉しておくと選択肢が広がります。
新規案件から直接契約に切り替える
既存案件はエージェント経由のまま、新規案件からダイレクトプラットフォームを使い始めるのが最もスムーズな移行パターンです。既存の契約に影響を与えず、直接契約の運用を試すことができます。
契約実務の違い
どちらの方式でも案件単位で業務委託契約を結ぶ点は同じです。違いは契約の相手方です。エージェント経由ではエージェントと契約し、直接契約ではコンサルタント本人と契約します。後者は契約書の作成・締結を自社で行う必要がありますが、NDA・業務委託契約のテンプレートはプラットフォームや行政(中小企業庁等)が提供しているものを活用できます。
コンサルティング会社が受注案件の要員を探す場合
コンサルティング会社が、自社で受注した案件(元請け・二次請け)の要員として外部のコンサルタントを起用することもあります。エージェント経由とダイレクトプラットフォームの違いは事業会社の場合と同じですが、あわせて次の点を確かめてください。
- 受注した案件の要員として使えるか:利用規約やサービスの説明で、受注した案件(元請け・二次請け)への参画が認められているか
- エンドクライアント名を伏せて募集できるか:業種や事業内容だけを示して募集できるか、どの段階で社名を伝えるか
- エンドクライアントとの契約と合っているか:元請けの契約で再委託が認められているか、秘密保持の範囲をコンサルタントとの契約にも反映できるか
- エンドクライアントとの直接取引の扱い:参画したコンサルタントがエンドクライアントと直接契約することを制限するなら、その期間と範囲を必要な分に絞って、コンサルタントとの契約に定めているか
ARROW proでは、案件の登録時に立場(元請け/二次請け以降)を選び、エンドクライアントを業種や事業内容など任意の粒度で記載して、社名を出さずに募集できます。社名などの情報は、コンサルタントとメッセージでやりとりする段階で、自社の判断で伝えられます。業務委託契約は、コンサルティング会社とコンサルタントが直接締結します。詳しくはARROW proのよくある質問にまとめています。
よくある質問
エージェント経由と直接契約の違いは何ですか?
エージェント経由は仲介会社が候補者の発掘・スクリーニング・契約管理を代行する方式です。直接契約は企業がコンサルタントを直接選定・契約する方式で、マージンが発生しないためコストを抑えられます。直接契約を人脈に頼らず実現する手段がダイレクトプラットフォームです。手間を取るならエージェント経由、コスト・透明性・スピードを取るなら直接契約が向いています。
エージェント経由のマージンはどのくらいですか?
一般的にクライアント支払額の20〜40%です。たとえば月額180万円のコンサルタントに30%のマージンがかかる場合、月54万円・年間648万円がエージェントへの支払いになります。このマージンは毎月かかり、同じ方と再契約した場合や別案件でも同じため、長期案件ほどコスト差が大きくなります。
ダイレクトプラットフォームの料金体系にはどんな種類がありますか?
大きく月額制と成約時の手数料に分かれます。どちらもエージェント経由のように報酬から毎月マージンが差し引かれることはありませんが、総額が増える条件が異なり、月額制は利用する月数、成約時の手数料は成約の件数と月単価で増えます。比べるときは、同じ条件で総額を出したうえで、成約時以外にかかる費用、延長・更新のときの手数料、契約の相手方を確かめてください。
直接契約に切り替えるにはどうすればいいですか?
多くのエージェントでは契約終了後1〜2年の直接契約禁止条項があります。既存コンサルタントとの直接契約は制限期間終了後に移行するか、新規案件からダイレクトプラットフォームを利用する方法が現実的です。既存契約に影響を与えず、直接契約の運用を試せます。
コンサルティング会社が、受注した案件の要員探しに使えますか?
サービスによって異なるため、受注した案件への参画を想定しているか、エンドクライアント名を伏せて募集できるかを確かめてください。ARROW proでは、立場(元請け/二次請け以降)を選んで案件を登録し、エンドクライアントの社名を出さずに募集できます。業務委託契約は、コンサルティング会社とコンサルタントが直接締結します。
まとめ
- 手間を優先するならエージェント経由、コスト・透明性・スピードを優先するならダイレクトプラットフォームが有効です
- 報酬が高いほど、期間が長いほど、エージェント経由とダイレクトプラットフォームのコスト差は大きくなります
- ダイレクトプラットフォームの料金は、月額制なら利用する月数、成約時の手数料なら成約の件数と月単価で総額が増えるため、同じ条件で総額を出して比べるのが確実です
- エージェント利用中でも、新規案件からダイレクトプラットフォームに切り替えることは可能です